令和3年3月1日(月)令和2年度卒業式が行われました。
コロナ禍の中迎えた2回目の卒業式。昨年度の卒業式は、どうやったら式ができるかを考え抜いた式でしたが、今年度はこんな時だからこそ何ができるかを工夫した式でした。
常盤木学園の卒業式の伝統といえば、歌に包まれ、花に囲まれていること。
歌については卒業生、職員、保護者は一切歌わず、音楽科が一手に引き受け、2階のトレーニングステージから素敵な合唱を響かせてくれました。毎年恒例となっている「別れの曲」を聞くたびに胸にこみ上げてくるものがあります。
卒業証書授与は例年通り1人ずつ校長先生から手渡されました。今回はこれらの様子をすべてYouTubeで配信をしました。保護者の方の参加は1名に限らせていただきましたが、その分、場内にカメラを数台設置し、スイッチャーで切り替えながら参加できなかった保護者の方や1、2年生に中継しました。滞りない中継をするために係の先生方は、送別会のリハーサル、送別会、卒業式予行と中継の練習を重ね、その都度問題点を克服し、今日の本番を迎えたのでした。
やはりクライマックスは在校生代表の言葉と卒業生代表の言葉です。
在校生代表として壇上に立った現生徒会長安藤文乃さんからは、「先輩たちがいつも私たちのお手本になってくれた」ことへの感謝と、これから自分たちが学園を背負っていくことの決意が述べられました。
そして前生徒会長小林ひかるさんからは卒業生代表の言葉として「学校は失敗が許される場所」だからこそ、「自分自身が成長するために生徒会長」になったこと、このコロナ禍だからこそ、「コミュニティの重要さを実感し、自分たちが新たな学びを得て、新たな時代をつくっていく」ことへの決意が述べられました。この言葉に涙し、うなずく卒業生が本当に多かったのが印象的でした。
今年度の卒業生は、最も大事な3年生の1年間を常に新型コロナウイルスに左右されながら過ごさなければいけませんでした。全国の高校生がそうであったように、行事は例年どおり行えず、大会もなくなって自分の活躍の場を見出すのが難しい人もいました。入試制度も変わり、ただでさえ大変な進路決定の年に、世界中の誰もが立ち向かわなければならない試練に挑むことになったのです。
今年の3年生を見ていると、「いつになったら」と不安になり、「もしかしたら」と期待しそれが徒労に終わり、そしてその繰り返しに諦念を抱きながらも、「このままでは」と奮い立ち克己する姿がありました。その逡巡の中で、どんなときでも自分たちなりの喜びを見つけ、他者と助け合うことの大切さを身につけていったのかもしれません。この状況が収まったとき、もしかしたら社会をけん引するのはこの世代かもしれないと期待せずにはいられません。そう感じさせてくれた卒業生代表の言葉でもありました。
卒業生の皆さん、この常盤木学園での3年間が自身の人生の礎となり、校長先生の言葉にもあったように他者のために力を尽くせる人になることを願っています。
皆さんの人生に幸多かれ!ご卒業おめでとうございます!